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ケニア
警察と地域住民の相互理解を促進するフォーラムを実施

<2015年 1月>

ケニアのマザレ地区において、9月26日に「警察と若者のフォーラム」、10月13日に「警察と地域住民・行政官のフォーラム」が実施されました。これらのフォーラムの目的は、警察と地域住民、特に若者と警察との間に存在する根強い不信感を解消し、犯罪や暴力の発生の予防を進めることです。

 マザレ地区では若者が犯罪容疑で逮捕されることがあり、警察に対する不信感や反発が若者たちの間に存在しています。こうした状況に対し、「警察と若者のフォーラム」では、地域の警察署長が、法律上どんな場合に逮捕されるのか、ロールプレイを通じて若者たちにわかりやすく説明し、若者から上がった様々な質問に対しても一つ一つ適切に丁寧に答えました。「なぜ逮捕するのか」という若者からの疑問に対しては、更なる犯罪の発生を防止することを目的として被疑者を拘束・捜査を行う目的があり、警察官はケニア国内で被疑者の逮捕をする権限を持つこと、そしてコミュニティに不安を生み出さないために捜査を行うと参加者に伝えました。

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捜査の方法について説明する警察官     逮捕の際に使用する手錠を見せる警察官


 警察長官によるセッションの後、SFP(セキュリティ・フォーカル・ポイント)チーム(治安問題に対応する地域住民チーム)のリーダーから発表がありました。マザレ地区の危険地区や地域ごとに発生する犯罪の傾向が紹介され、警察官らは危険地区への警戒を高めると約束しました。
 このフォーラムは警察官の行動への疑問が解消し、警察官もまた同じ人間であり、相互理解を図る事でより良い関係を築けることを参加者が学ぶ機会となりました。参加した若者や現地市民団体らは、自分自身も犯罪を防ぐコミュニティの一員であることをあらためて認識し、コミュニティの安全を守るために必要な情報交換を積極的に行おうという意志が共有されました。

 「警察と地域住民・行政官のフォーラム」では、警察、地域行政官、教師、弁護士補佐官、心理カウンセラーやコミュニティの代表者が集い、マザレ地区におけるコミュニティの安全について議論し、相互関係の強化を図りました。 ケニアで治安改善の活動を行っている専門家の講義を通じて、治安の改善は安定した生活を送り、収入を向上させるために最も重要な課題の一つであると参加者は理解しました。その後3つのグループに分かれ、①マザレ地区における犯罪の種類と警察が直面している課題、②地域の現地市民団体の活動とその効果、③犯罪の原因と解決方法、の3点について話し合いました。議論の結果、薬物乱用、情報と司法へのアクセスの欠如が課題であり、これらの状況の改善が地域の安全性を向上させる鍵となると特定され、話し合われた提言を実行・監督するためのチームが立ち上げられました。 このフォーラムにコミュニティのために活動している主要メンバーが集い活発な議論が行われた事で、コミュニティの抱える課題が明確に把握されるようになりました。そして各自が担う役割を理解し、マザレ地区の治安改善に向けて協力体制を築くことが合意されました。
 今後も警察は地域住民との活動に積極的に関わり、マザレ地区の治安改善に努めていくことが確認されました。

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真剣に講演者の話を聞く参加者         警察副所長自ら警察の役割について説明する

※この事業は、JCCP会員や寄付者の皆様からのご支援と、外務省からの助成(日本NGO連携無償資金協力)により実施しています。