*「紛争の被害者を平和構築の担い手に」JCCPはアフリカ・中東の平和構築を支援する認定NPO法人です。

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ソマリア
干ばつ被災者・国内避難民への支援報告

干ばつ被災者・国内避難民への支援報告
<2013年2月掲載>

干ばつ被災者・国内避難民への支援がソマリア・ガロウェで継続中

 JCCPの事業地の1つであるソマリアは、2010~2011年にかけて東部アフリカを襲った干ばつにより、深刻な被害を受けました。ソマリアは、長年無政府状態のため干ばつ対策や人道支援の仕組みが備わっていないことも影響し、2011年7月から9月にかけて、南部の6地域に対し、国連の飢餓宣言が出されるほどに、深刻な被害が報告されています。また、同じ時期に、南部では戦闘が激化しました。

 こうした紛争や干ばつを逃れて、多くの人々が国境を越え、「難民」となって近隣諸国へと避難しました。一方で、ソマリア国内で避難生活を送る人たちもいます。JCCPはこうした「国内避難民(Internally displaced persons:IDP)」を対象に、昨年2月よりソマリア北部のプントランドにて支援活動を行っています。

 プントランドの首都ガロウェにある14箇所の国内避難民キャンプには、約2,850世帯(約1万人)が暮らしていますが、水・衛生問題を始めとして、過酷な生活環境に置かれています。住民間の争いやキャンプ内での暴力も報告されてきました。避難民キャンプの女性は、特に性差別的暴力に遭いやすい状況にあります。多くの国内避難民の女性たちが、キャンプに逃れてくる途中や、キャンプ内において、そうした暴力の犠牲となってきました。しかし、その被害を家族にすら相談することが難しく、事件の多くは明るみに出ることはありません。

 JCCPは、昨年2月Shabelle IDP camp shelter.jpgに支援を行ったプントランドのボサソに続き、昨年8月からはガロウェに重点を移し、性暴力や住民間の問題による深刻な被害やトラウマに苦しむ避難民への支援を実施しています。現在、衛生・生活改善衛生・生活改善のための物資配布とそれらの使用法・衛生に関する知識の指導と共に、性暴力の防止と被害者の救済の仕組みづくりに取り組んでいます。

(右写真:ガロウェ郊外のIDPキャンプ。住居は布やビニールシートを張り合わせた質素なつくり)

衛生・生活改善に向けて

 JCCPは、衛生・生活改善に向け、水・食料・衣類、生理用品、衛生用品が1つのセットとしてバケツ内にまとめられた物資を尊厳回復キット(Dignity Kit)として、被災や暴力被害者の女性に配布しています。2013年1月は、このDignity Kitを計260セット配布しました。物資の配布は、国内避難民キャンプ内では行わず、キャンプ外の安全な場所で行ないます。JCCPが支援している人々は、性暴力被害者など他の住民から偏見を受けやすいことから、十分なプライバシーと安全を守るための配慮が必要だからです。

物資を受け取った被災女性を対象に、その後の使用状況を調査したところ、配布物資を日常的に使っている様子が分かりました。物資配布を行ったあと、使われずに放置されていたり、市場で転売されたりする事例もあるため、使用状況の事後調査はとても重要なのです。調査の結果、最も役に立った物資は、下着・石けん・バケツが上位を占めました。中には、「国内避難民キャンプで暮らし始めて初めて下着を手に入れた」という女性もいたほどです。下着不足については、「食料と水の確保を優先するために、下着までにお金をまわす余裕がなかった」とのことでした。
 物資配布は、被害者たちの精神面でのサポート効果もあります。ある女性は、「物資を受け取ったことで、自分が見捨てられていないと実感した」と語っていました。「物資を受け取ったあと、別のことに挑戦してみようという気持ちがわいた。将来的に販売できるような編みものなどに挑戦してみたい」と話してくれた女性もいました。

M&E Group Work 3.jpg加えて、将来的に活動が現地コミュニティの力で継続できるようにするためにも、現地NGOや行政関係者の能力の育成が欠かせません。そこで、JCCP在ケニア・ソマリア代表の石井由希子とプロジェクト・オフィサーのケニア人職員アリスが今年1月にガロウェに出張し、被害者の相談窓口となる国内避難民の住民(フォーカルポイント)や女性委員会メンバー、政府・行政関係者ら38名に対し、支援が適切な成果を上げているかを確認するためのモニタリングと評価をどのように行うかについての研修を実施しました。
(写真:研修でのグループワークの様子)

 研修前、参加者の過半数が活動の成果を測るためのモニタリングと評価の方法に関わったことも聞いたこともないと答えました。しかし、研修を通じて、既に自分が手法を用いていた経験があったことに気付く様子が見られました。研修に参加した現地の内務省(日本で言う警察庁)の職員からは、高官向けの上級編の研修の実施の依頼も受けました。今後も引き続き、現地の能力強化に重点を置いた支援を実施していきます。

※この事業は、JCCP会員や寄付者の皆さまからのご支援と、ジャパン・プラットフォームの助成により実施しています。