JCCPのケニアでの活動
ケニアには42の民族が住んでいますが、民族間の小さないざこざはあったものの、 大きな争いには至らず平和に多民族社会として共存してきており、「アフリカの優等国」とされていました。 しかし、2007年12月に実施された大統領選挙の結果への不満が、各地で暴動や焼き討ちに広がった結果、 1,000名を超す死者と50万人の国内避難民を出す事態となりました。
多くのケニア人にとって民族はアイデンティティーの根拠になっており、小さな民族間の軋轢は、牧畜民族と農耕民族との間での土地や水、牛を巡る問題などの形で垣間見ることができます。 一方、2007年末から2008年初旬にかけてのケニア全土での暴動は、これら日頃の生活や経済状況に対する不満が、民族間の対立に置き換えられ爆発する形で発生しました。 とくにケニア西部、貧困層やスラム地域で激しいものとなり、開票結果に不満を持った民衆とその動きを弾圧する警官隊を巻き込んだ大規模な暴動に発展しました。 暴動後、JCCPはケニアでの支援を続けています。
薬物使用者に対する心のケア支援
薬物使用者に対する心のケア支援
JCCPは2011年5月よりナイロビのマザレスラムにおいて、「薬物使用者に対する心のケア支援」を開始しました。麻薬などの薬物の身体への害や社会への影響に関する啓発活動と、薬物使用者に対するカウンセリングを行い、薬物使用を防止することが目的です。
啓発とカウンセリングを中心となって進めるのは、2010年にマザレスラムで実施したプロジェクト「暴動被害者の心のケア事業」に従事したコミュニティ・アニメーター(以下CA)と呼ばれる現地ボランティアたちです。この事業で活躍したCA25名によって2011年1月に現地組織Animators for Development(以下、AFD)が設立され、マザレスラム住民の健康改善や能力強化のために活動しています。JCCPでは、AFDの組織運営と事業推進能力の強化を支援するとともに、カウンセリングの専門機関や医療機関と連携を強めて事業を進めています。
CA25名を対象に行われた3日間にわたる訓練セッションでは、CAたちが実際に薬物使用者に対してカウンセリングするために必要な、薬物と薬物中毒の知識、カウンセリングやリハビリテーションの方法などについて集中的に研修を行いました。
マザレスラムでは5歳から18歳までの子どもたちの薬物中毒症状が数多く報告されていることから、子どもの薬物使用の背景にある社会的要因に対する理解の大切さについても議論が交わされました。
マザレスラムの住民でもあるCAが住民の状況を的確に把握することで、専門家では目の届かないごく早期の段階で薬物使用の兆候をつきとめ啓発を行うことができます。
今後は、トレーニングで得た知識や技術を活かし、カウンセリングと啓発活動を通してのべ約5800人の住民を対象に薬物防止の啓発を行っていきます。
助成:独立行政法人 国際協力機構(JICA)

現地コミュニティの能力強化支援
現地コミュニティの能力強化支援
地域のグループによる小規模ビジネスの立ち上げに対して、専門家による指導とマイクロファイナンス(小規模な融資)を行うことで、生計の向上とコミュニティの能力を強化しています。
国内避難民の再定住の地として生活の再建が急がれるリフトバレー州の中部地域(ナイバシャ県およびナクル県)では、住民グループによるヤギやニワトリなどの家畜を利用した生計向上事業を実施しています。JCCPは住民グループに経営指導を行い、家畜小屋の建設の材料費や家畜購入の初期費用を支援しています。この事業により、新たにこの土地に住み始めた国内避難民グループと以前から住んでいる住民グループが、共同で家畜の販売や交配を行うことで両者の交流を増やし、対立を減らし、相互理解を深めています。
一方、異なる民族が混在し、人々の貧困による不満から暴動の再発が心配されるナイロビのマザレスラム地区では、テントや椅子のレンタルビジネスや灯油の小売業、託児所サービスなどの小規模ビジネスの立ち上げと運営を支援しています。
こうした事業の経営主体である地域のグループは、協同でビジネスを実践することを通じて、組織の運営や経営に必要なマネジメント能力を高め、コミュニティ全体で自立に向けて進んでいます。
助成:独立行政法人 国際協力機構(JICA)
平和構築のための実務家養成研修
平和構築のための実務家養成研修
JCCPは2010年2月から、ナイロビ(ケニア)の国際平和支援訓練センター(IPSTC:International Peace and Support Training Centre )が主催する平和構築と治安維持のための研修カリキュラム立案と訓練の実施を行っています。
この研修プログラムの会場でもあるIPSTCは、ケニア、スーダン、ウガンダ、ソマリアなど東部アフリカ諸国の政府関係者や軍人、警察、文官、また同地域で活動するNGOや国連の職員などを対象に、平和維持や平和構築などの専門的な訓練を提供している研修機関です。
JCCPは2010年の下半期において、SSR*研修とDDR**研修のふたつのカリキュラムを実施しました。10月のSSR研修では、架空の紛争国を設定して治安を改善するための方策を考える参加型プログラムを実施しました。また、12月のDDR研修では、DDRの進め方や子ども兵の保護の方法などについての2週間の研修のリード講師を務めました。
助成:国連開発計画(UNDP)
*SSR(Security Sector Reform)
「治安部門改革」
軍隊や警察、司法制度など治安に関する部門の改革を通じて国家の治安維持能力の向上を目指す取り組み。
**DDR(Disarmament, Demobilization, Reintegration)
「武装解除、動員解除、社会復帰」
元兵士らから武器を回収し、職業訓練を行うなどして、社会に復帰させる取り組み。

スラムでの心のケア支援
スラムでの子供や
女性への心のケア支援
ケニアの国内暴動では、日頃から不満を抱えた人々が多いスラム地域でもっとも激しい被害が出ました。 とくに首都ナイロビにあるマザレスラムは、人口は約40万人とも推定されており、出身地域や民族ごとの住民の住み分けがある地域です。 マザレスラムでは2007年末からの大規模な暴動により、505軒の家が焼失したほか、女性や子どもに対する性的暴力も発生しました。
JCCPは、2008年から2009年までマザレスラムにおいて スラムの住民のなかからカウンセラー(コミュニティー・アニメーター)を養成し、セラピールームという拠点7ヶ所で子どもや女性を対象に心のケアを行いました。
コミュニティー・アニメーターはマザレスラムに暮らす若者たちが中心となって構成されました。若者たちは自分たちのコミュニティーをより良くしたいとの想いから、このプロジェクトに無報酬のボランティアで参加しました。
こうした若者たちの存在は、地域の人々に「自分たちの問題は自分たちで協力し合って解決しよう。」という人々の意識を高めることにつながり、コミュニティーの力を向上させていくきっかけとなりました。
助成:特定非営利活動法人ジャパン・プラットホーム(JPF)

国内避難民の再定住支援(過去の事業)
国内避難民の再定住支援(過去の事業)
首都ナイロビから60キロほど離れたリフトバレー州マイマヒウには、2008年末から、暴動による焼き討ちで住む家や土地を失い、新たな生活と平和を求める多くの家族が移り住んでいます。山からの強い風で砂ぼこりが舞い、井戸を掘っても水が出ない乾燥した土地で、住民たちの多くは雨風もしのげないテント生活を余儀なくされています。
この土地で新たな生活を始めようとしている避難民たちを支援するため、JCCPは2008年から給水施設の設置と住居建設の支援を行いました。
給水施設の設置工事にはのべ100名の現地住民が臨時労働者として参加し、パイプの敷設作業、穴掘り作業、水源保護設備の建設に携わりました。施設の維持管理は、コミュニティ内から選定されたメンバーにより組織された水管理委員会によって行われています。重労働の水汲みは住民たちの日課でしたが、給水設備の導入によって衛生的な水の確保が容易になりました。さらに給水所は異なる民族グループのコミュニケーションの場にもなり、対話促進にも貢献しています。
住居建設では、まずコミュニティ内で組織された住民建設委員会のメンバーに対し、建築方法に関する説明会を開催しました。その後、各メンバーは建築方法を他のコミュニティの住民に伝授し、住民自身が建築を行えるように訓練を行いました。住民による修繕や拡充が可能なように、住居は現地コミュニティで手に入る資材でできています。住民たちは自ら資材を積極的に準備するようになり、人手が足りない家庭には手伝いに行くなどの協力関係も生まれました。
このほか、時期によって不足することのある水資源が衝突の要因とならないよう、国内避難民とホストコミュニティ住民との軋轢・対立を防ぐ目的で和解促進の啓発活動も実施しました。
助成:独立行政法人 国際協力機構(JICA)
国際ボランティア貯金
花王株式会社
花王ハートポケット倶楽部
株式会社リコー社会貢献クラブEreeWill



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